昔から「冷えは万病のもと」といわれるように、身体にとって冷えは天敵。逆に、身体を温かい状態にキープしておけば、免疫力アップや新陳代謝の活性化につながり、健康面でも美容面でもさまざまなメリットがあります。
そんななか、今、美容業界で話題となっているのが、「ヒートショックプロテイン」(HSP)という成分。いったい、どんなものなのでしょう?
HSPとは、傷ついた細胞を修復するタンパク質のこと。「ヒートショック」の名の通り、体を温めるなど、熱に反応して体内で増加する特徴を持っています。
そもそも、人間の身体のあらゆる組織や細胞はタンパク質で構成されていますが、タンパク質は傷つきやすい性質であり、過度なストレスを受けると正常な働きができなくなってしまいます。
このダメージをいち早く察知し、修復するのがHSP。身体本来が持っている、自己再生機能といえるでしょう。美容業界では“エイジングケアに直結するタンパク質”とも呼ばれ、コラーゲンを増強させたり、メラニンの生成を制御したり、加齢サインの元凶である活性酸素を断ち切ったりするなど、美容にも大いに貢献している成分です。
ところが、残念ながら、HSPの数は加齢とともに減少していきます。そこで注目されているのが、日々のケアで体内のHSPを活性化させ、その数を増やす方法。
もっとも有名なのが、熱に反応して増加するHSPの特徴を利用した、「HSP入浴法」です。
やり方はカンタン。40~42℃くらいの熱めのお風呂に10分ほどつかり、身体を温めるだけ。一般的に、HSPは、体温が38℃まで上がればその数が増えるといわれています。
かなり汗をかくので、入浴前はしっかりと水分補給を。入浴後はバスタオルなどですぐに身体をくるみ、冷たい飲み物を避けるなど、熱を逃がさないようにしましょう。
化粧品は、あくまでもサポート役として支えてくれるもの。肌や髪のトラブルが現れたら、ケアと生活習慣の見直しを行い、HSPのような、身体が本来持つ機能を高めることがとても大切です。